スタッフ日記

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パールホテル茅場町のスタッフ日記です。

2019年7月29日

茅場町の今昔話

ちょっと今回は趣向を変えて、
もしかしたらあまり知られていない茅場町の歴史を、ご紹介致します。

まずもって江戸時代以前は海であり、天正年間(1573~1592)末に埋め立てられたそうです。その後も埋め立てはしたものの、江戸時代初期はまだ一面を茅や葦で覆われた沼沢地であり、のちの江戸城築城の際に、かの徳川家康が神田から茅商人を移住させて町を開いたため「茅場町」の名が付いたと言われいます。

江戸期は、もっぱら商人の町として知られ、材木屋や瀬戸物屋、特に京都から船で運んできた「下り酒」を扱う酒造問屋や酒蔵が多く軒を連ね、「江戸新川は酒問屋をもって天下に知られ」と言われるほどの賑わいを見せたそうです。

特にホテルの隣を流れる新川は、問屋の白壁と行き交う廻船が江戸の風景と親しまれ、
かの有名な広重の「江戸百景」にも、その姿を残しています。鎧の渡し
ちなみにこの「鎧の渡し」はホテルから歩いて3分のところの茅場橋がそれです。

また江戸末期には傘職人も多く住んでいて、通りを歩くと傘を張る油の匂いがしたそうです。
傘を張る油の匂いがどういうものか、令和の御代では全く想像がつかないですが、
情緒のある町だったことを偲ばせます。

さすがに江戸時代の名残は望めませんが、今でも一本入った細い道を歩くと、大正時代から昭和初期ぐらい(推測)の面影がひょっと顔を出す事があります。

ほんとに何のことはない場所や風景だったりするのですが。
「これはもしかして?」と思わせるような一角に出くわすのが、
渋好みの茅場町の地味な楽しみ方と言えるかもしれません。